平成27年9月の法話/新美和彦師
【担 当】 新美和彦 師 〔愛知県蒲郡市 玉泉院 住職〕
【御 題】 「健康で長生きの話 『心身一如(しんしんいちにょ)』」
仏教では、「心身一如」が重視され、心と体を一つのものとして考えられています。
病気の一番の原因につながるのは、心の問題です。
感情のバランスが崩れると各臓器の働きに悪影響を及ぼすと考えられています。
東洋医学の根本が、全体的な心と体のバランスで、「気のバランス」をとる。ということなのです。
心身症という言葉があります。心の状態が体に影響をあらわした症状です。
失恋がもとで病気になったり、怒ってばかりいると神経症など体の調子が悪くなって顔つきも悪くなります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発率が70%といわれていますが、
それは多くがストレスに起因しているからといわれています。
ですから、こういう病(やまい)は、根本的には心を安らかにする必要があります。
今恵まれていることに気づくことです。
『ありがたいなー』 『幸せだなあー』と声に出してみましょう。
美味しい食事が食べられること、綺麗な水が使えること、会話が出来ること、友達がいること、家族がいること、
温かいお風呂に入れることなどなど・・・このように考えれば、私たちは、恵まれているのです。
『ありがたいなあー』 『幸せだなあー』と感じるとき発する言葉が、『南無阿弥陀仏』でもあります。
これを、「歓喜(かんぎ)の念仏」と申します。「かんぎ」とは仏教語読みで、よろこびの「かんき」のことです。
前向きになれます。
「『ありがたいなあー』『幸せだなあー』、南無阿弥陀仏...」とお念仏が口から出る時、心が安らぐんです。
心が安らげば、「健康で長生き」です。
西山上人の御法語「鎮勧用心」に、『ねむりて一夜をあかすも、報仏修徳のうちにあかす』とあります。
もし一日のおわりに安らぎを覚えて眠るならば、
これは、貴方が阿弥陀さまの功徳に抱かれているからです。と言われています。
「『ありがたいなあー』『幸せだなあー』、南無阿弥陀仏...」と、
「歓喜の念仏」のお念仏の日暮らしが出来るならば、私も貴方も、阿弥陀さまの大悲の御心に在るのです。
ちょうど赤ちゃんが、お母さんに抱かれて安堵しているようです。
この安らぎが、「健康で長生き」の秘訣です。
南無阿弥陀仏...
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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