平成27年10月の法話(1)/長谷川晃雄師
【担 当】 長谷川晃雄 師 〔京都市 妙心寺副住職〕
【御 題】 「美しい人」
10月に入りますと、秋の過ごしやすい気候となり、やがて美しい紅葉の季節となります。美しいものを観ると、私たちの心と身体が浄化されます。私たち自身も普段から美しい人である様に心がけたいものです。
『観無量寿経』というお経さまの中に「至誠心(しじょうしん)」が説かれております。これは「自分の醜さ、心の汚れ、自分の全てをよく知る心である。それを知る人は、既に仏の真実を頂いて、仏の掌中(しょうちゅう)に在る人なり」と教えています。
皆様は「たらたら」の人生になっていませんか?
「もっとあぁだったら良いのに!!」
「もっとこうだったら良かったのに!!」
この様な愚痴や不満は「渋面(しぶつら)」と申しまして、にがにがしい顔つきを作ってしまいます。
知り合いに中学1年生の女の子が居ます。この女の子は自分の容姿が気に入らないのが原因で、いつも不機嫌そうな顔つきをしていました。ある時、学校の男友達が一言「ぶすーっとしていないでニコニコしたら可愛いよ!」と言いました。その言葉で「ハッ!!」と自分の心の醜さに気付いた女の子は、それから色々な事に積極的になりました。特に夢中になったのがダンスです。人前でダンスをしてたくさんの拍手につつまれました。
いつの間にか、この女の子の顔はほがらかで明るくなっていました。今では、その笑顔で周りにいるたくさんの方を幸せにしているようです。
この女の子を通して、私自身も不機嫌そうな顔つきをしていないか、常に心がける様になりました。
仏さまのお顔は「愛敬相(あいぎょうそう)」と申しまして、ほがらかで明るく慈悲深い表情をされています。毎日の生活の中で、愚痴や不満・怒りがおこった時は仏さまを拝みましょう。心と身体が調えられます。
合掌十念
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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