布教師会会長 挨拶/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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布教師会会長 挨拶

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布教師会会長

令和元年12月1日付けで、布教師会会長の重責を拝命致しました杉田でございます。浅学非才の身でありますが、布教師会の益々の興隆と布教師の養成にまい進する所存でございます。皆様方のご協力とご指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 

昨年より世界中で蔓延しておりますコロナウイルスの感染拡大が一向に収まりません。この影響で、今年度の布教師会総会や布教講習所の開講が出来ない状態となってしまいました。布教師会会員の皆様や布教講習所受講生の皆様方には、大変ご迷惑をおかけ致しております。コロナウイルスが、一日でも早く終息して布教師会の活動と布教講習所が開講出来ますよう心から願っております。

 

先日、我が家の飼い猫がコロナウイルス感染症で亡くなりました。生まれてまだ一年にも満たない子猫でありましたが余命3ヶ月と宣告され、その日を迎える事となってしまいました。家族全員で手を合わせ、「南無阿弥陀仏」とお念仏を称える中、娘の腕の中で静かに息を引き取りました。

 

娘が「お父ちゃん。猫は極楽へ生まれた。」と聞きましたので、私は「みんなのお念仏のお陰で、極楽へ生まれたよ。」と答えました。「生ある者は必ず死に帰す。」と言う言葉がございますが、娘にとって命の尊さとお念仏の有り難さを認識する貴重な経験となりました。

 

猫の社会にもコロナウイルスの感染が広がっているとは、腹立たしい限りでございます。亡くなった子猫は、飼い主に捨てられたようで、どこから来たのか分かりませんが、最初の

うちは、私たち家族を警戒し、心を「開く」ことはありませんでした。それでも娘達が根気よく、餌を与えたり優しく接したりしているうちに、心が通じたのか。やがてその距離は縮まり気が付けば、心が「開かれ」家族の一員として過ごしておりました。心を「開く」とは、信じることであります。信じることによって心が開かれ、信頼が築かれるのであります。

 

法然上人は、承安5年(1175年)春、浄土宗を「開かれ」ました。善導大師の観経疏より、お念仏を称えるだけで、仏の本願によって往生できると悟られたのであります。その時初めて「自分は救われた」と実感されたのであります。

 

令和6年は、開宗850年の節目の年を迎えます。先人達の努力と研鑽によって受け継がれたお念仏の法灯を、皆さんと共に来世に伝えて行きたいと存じます。

 

浄土宗西山深草派布教師会会長 杉田 道秋

 

 

 

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