平成27年4月の法話/小島英裕師
【担 当】 小島英裕 師 〔京都市中京区 宝蔵寺 住職〕
【御 題】 「御忌大会(ぎょきだいえ)を迎えて」
私たちの生命(いのち)は、生まれ変わりを繰り返し、
仏法を学ぶことのできる「人間」にやっと生まれてきたのです。
お念仏の元祖法然上人は「うけ難き人身(にんしん)をうけて」と仰せになりました。しかし大人であっても、親であっても私たちは人間ですから煩悩・毒を持っている。毒をもった大人が子を作り親となる。子どもが年頃になるとお互い人間ですから当然、親子の間で言い争いをして、もめることもある。私たちはどういう「生き方」をすればいいのでしょうか。
私がこの世に生まれてきたのは、親無くしてはありえません。お念仏のお教えには「私を産んでくれてありがとう」という感謝の気持ちが含まれています。なかなか親に感謝の誠が捧げられない。「こんな私でも」お救いくださる阿弥陀様への感謝の気持ちが「お念仏」に含まれています。「南無阿弥陀仏」の六字の中に、両親、ご先祖様、阿弥陀様への感謝、そして自分の「心」に懺悔、反省の気持ちを起こさるすべてが詰まっています。ご先徳も自らを「罪悪生死の凡夫」と仰せになりお念仏を申されました。
さて、法然上人のご命日は1月25日でありますが、法要をお勤めし檀信徒の皆様にお参りをいただくには、寒さが厳しい季節であるので、4月の暖かい春に「御忌大会」としてお勤めをしています。お念仏の教えをお説きくださった法然上人への感謝の気持ちをもって、浄土宗西山深草派の総本山誓願寺に是非お参りいたしましょう。
お念仏を申して「私が!私が!」という悪い自我を捨て去り、素直で正直で美しい「心」にならせていただく。これが私たちの「生き方」ではないでしょうか。
担当は小島英裕でした。
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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