平成27年11月の法話(1)/神谷得祐師
【担 当】 神谷得祐 師 〔愛知県碧南市 海徳寺 住職〕
【御 題】 「和顔愛語」
「和顔愛語」
暑さから開放され、ひと時の穏やかな日々が長く続きますように祈らずにはいられない今日この頃、テレビ、新聞では盛んにいやな記事が掲載されています。
私達と仏様との約束は、お互いに助けあって仲良く暮らす毎日なはずであります。それは自分勝手に生きているのではなく、大いなる恵みの中で生かされているという事です。
自然の恵みである、太陽の恵み、風の恵み、水の恵み、そして家族、親戚、お隣さん等の大勢の人達との出会いの中で、協力しながら生活してゆくのが私達の世の中の姿です。
仏様の「慈悲の心」とは「思いやり」の心です。相手を思いやる心、相手の立場に立って物事を考える心です。今こうして私が元気で健康に生活しているのも、考えてみますと大勢の人達による、健康に生活させてもらっているわけです。ですからお互いに助け合わねばならないという心を起こさねばならないという事であります。
仏様の教えの中で、このような助け合いの世の中を「施し」という方法で説いています。「和顔愛語」という言葉をよく耳にすると思います。思いやりの心から出たやさしいえがお(和顔)と心のこもった言葉はどんなんいか人の心をなごませる事でしょうか。小さな子供から老人に至るまで、だれにでもできる行いであります。笑顔で「ありがとう」そして「ごめんなさい」、「すみません」等のちょっとした相手に対する言葉かけが、大いに人をなごませ、おだやかな心にさせる事でしょう。これも大事な仏教の教えの一つです。
私たちの毎日は、時にはののしったり、無意識にきずつけ合ったり、知らないうちに人の心を踏みにじっている様な毎日ではないでしょうか?
「和顔愛語」正直なすなおな心を持つ人を決して仏様は見逃しはしません。感謝の心、助け合いの心、私達一人一人の心の中から仏様との約束をしっかり守りましょう。
十念
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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