平成25年9月の法話/神谷得祐師
【担 当】 神谷得祐 師 〔愛知県碧南市 海徳寺 住職〕
【御 題】 「ありがとう」
「ありがとう」
私の寺では、お檀家の皆さんに50回忌の年忌法要まで必ずご案内させていただいております。
昔からの習慣で、たいへん神仏に対する信仰が厚い地区でありますから、多くのお家がきちっと法要をを努められます。皆さんがそれぞれの思いの中で「おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう、よく世話になったなぁ」という思いやりの心からであります。
毎日の生活の中では、お互いに「お父さん、お母さん、皆さんありがとう」という事ですが、お仏壇の前にすわれば「ご先祖さまありがとう」のお念仏「ナムアミダ仏」と称えるのです。これが感謝の「ナムアミダ仏」という事であります。
全国的に有名なチェーン店の社長(創業者)さんのお墓が私の寺にあります。ご命日は8月です。
一年を通じて多くのお詣りがありますが、特に当日は北海道から九州まで多くの皆さんがお詣りに見えます。
皆さん一緒にお墓の前で「般若心経」を読み、本堂内にては、私が追弔法要をさせていただいております。
社長さんが書いた本を読んでみますと、この仕事で多くの皆さんに「喜こんでいただいているだろうか、ご奉仕させていただいているだろうか、もったいないなぁ」という感謝の気持ちから始まった会社だそうです。
参拝者のノートの中には「ありがとうございます」の文字があちこちに見られます。
それぞれの社員の皆さんの思いが、「元気に働いています。社長さんのおかげです。来年も又お詣りに来ます。」という感謝のことばとして見受けられます。
3月4月の時期になりますと、定年で去っていく人、新入社員として入ってくる人たちがお詣りに見える、そんな会社であります。きっと会社内では相手を思いやることば「ありがとう」が行き交っていると思います。
私たちは毎日の生活の中でいつも「ありがとう」のことばがすなおにいえるでしょうか。
多くの人達によって、私ども一人一人が支えられているんだという事に気が付かなければならないという事だと思います。
お互いに助け合って生かされている毎日です。
人と人との出会いがあり、その中で勝手に生きているのではなく、手を取り合って生きていく事こそが私たちの世の中の姿であります。
物に対する感謝の心、人に対する尊敬の心、相手を思いやる心が正直なまじめな人間を育てるのです。
毎日の暮らしの中で、すなおに「ありがとう」といえる心を養いましょう。
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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