平成25年4月の法話/伴義山師
【担 当】 伴義山 師 〔愛知県西尾市 妙善寺 住職〕
【御 題】 「極楽お浄土はあるかないか」
「暑さ寒さも彼岸まで」 ようやく過ごしやすい季節になってまいりました。 今日はその彼岸お浄土の存在を考えて見ましょう。 私の寺は俗に「かぼちゃ寺」と呼ばれ観光バスのルートになっているので連日大勢の方々がやってまいります。「来たくて来たんじゃない」とおっしゃる方がほとんどですが、比較的お若い方もおられますので、佛法にお目覚め頂く良いチャンスであると熱弁するのであります。
「お浄土極楽あるやなしや」 の解答は大体三つに分かれます。 第一「ある」、第二「ない」、第三「わからない」。第三のわからない方が多いのですがこれは当然のことでしょう。 決まって「和尚さんは行ってきたことがあるんですか」こう云われると... しかし胸を張り声を大にして、第二第三の方々にこう申しております。
貴方々生命の否定をなさるんですか。今生きていらっしゃるでしょう。その命は誰から頂いたんですか。直接的にはお父さんお母さん、その親お爺さんお婆さん、よく可愛がっていただいたでしょう。 その親曾爺さん曾婆さん、その又親ヒヒー…、生命のルーツを辿れば限りない過去無限の二つの生命の流れが凝縮されているのが今の貴方々のお生命、過去無限の生命がおありいただいた証拠ですよ。
そしてお帰り頂いた所が彼の岸お浄土、そこで私達を見守り、やがて帰って来るのを待ってて下さる生命、お浄土がある、ないなんて云わしめませんよ。 だけどどんな天体望遠鏡、顕微鏡、レーダーでもってしても決して見ることはできません。 心です。 心以外にはありません。 その心を皆様方は既に頂いておられるんです。そのディスカバー再発見の為今日お参りいただいたんですよ。
と毎度申しております。
「帰るべきお浄土ありき春うらら」 合掌
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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