「一連托生(いちれんたくしょう)」平成28年8月の法話(1)
【担 当】 杉田道秋 師 〔愛知県豊川市 立信寺 住職〕
【御 題】 「一連托生(いちれんたくしょう)」
仏様の教えの中に「一連托生」と言う言葉がございます。テレビのドラマなどで、罪を犯した悪党達が追い詰められ、最後に「ちきしょう。こうなりやー。一連托生だ。」と叫びながら、周りの者も巻き込んで自滅する時にく使われます。しかし、本来の意味は、共に極楽浄土へ生まれ変り、共に蓮の花の台(うてな)の上で寄り添いながら生きることであります。
蓮は水中の泥の中で育ち、清らかな美しい花を咲かせます。その姿は、仏様の慈悲や知恵をあらわしているとされ、仏教では神聖な花とされております。死んだら一緒のお墓に入りたくないと言う夫婦も多い今日でございますが、縁あって巡り合い、共に信頼しあい夫婦になった二人でございます。最後まで運命を共にし、極楽へ生まれ変わっても添い遂げたいものでございます。
では、私たちはどのように生きて行けばよいのでしょうか。
流祖西山上人様は「生きて身を 蓮(はちす)の上に 宿さずば 念仏申す かいやなからん」と御歌を読んでおられます。阿弥陀如来様のお慈悲の光は、常に絶えることなく私たちに注がれております。そんな阿弥陀如来様の御心を思うと、命が終わってから申す念仏ではなく、生きているこの身こそ、蓮の台に宿すように申す念仏でなければ、念仏を申す甲斐がない。と、お示し下されております。西山上人様の念仏信仰の心が力強く伝わってまいります。
担当は、杉田でした。
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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