平成20年11月の法話/木村賢隆師
【担 当】 木村賢隆 師 〔愛知県西尾市 専長寺 住職〕
【御 題】 「おかげさま」
あなたは体の痛いところはありませんか
近ごろお寺まいりの方で足の痛い人が多くなり正座することができないようです。
寺側は畳の上に腰掛を用意され、そこに掛けておまいりするようになりました。
本来仏教は座ることからはじまっているのです。
座って静かに我が心を内観することです。
自坊の本堂も外陣には畳が四十八枚敷きつめてありますが、これはアミダさまのご本願四十八願になぞらえて畳が敷かれているのです。 例にならい、自坊も畳の上に腰掛を置いていますが、私は参詣の方に「この畳一枚一枚はアミダさまの本願で、その上にみなさんは更に腰掛を乗せていたっしゃるのです。仏さまの最高位に乗せられているのです。」と如来さまのお慈悲をお話しています。
また農家の古井戸のつるべの滑車をもらい受けて、本堂の天井からつり下げ、百万遍の数珠を滑車に通して、一人で廻せる百万遍念仏をすすめています。
人間とは漢字に書くように「人との間」と書いて間の大切さを教えているのです。 間をおきながらも、もたれ助け合いながら生活するのです。 一人で暮らすのでなく、お互いに幸を求めて働くのです。
働くとはハタを楽にすることです。 他人の為に働くと考えると人生喜びがわいてきます。 それを逆に考えるとつまらないと思うかもしれませんが、ここは良い方に考えて行くことが大切なことなのです。 この考え方が仏さまの教えであります。 仏さまの教えはむずかしいことでなく、まず今の生活の中から考えていくことです。 そこにおかげさまの心がわいてきて有難さがわかります。
おかげさまとは蔭が大切であることを意味しているのです。
合掌 十念
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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