季節の法話/弥生(三月)/深津実乗師
【担 当】 深津実乗 師 〔愛知県西尾市 称名院 住職〕
【御 題】 「袋の名号」
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深津実乗師は平成22年2月28日に遷化されました。
この場を借りまして謹んで哀悼の意を表します。
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此の頃の入れ物には立派な鞄があり、自由自在に内を見たり、施錠やあけしめができる。 和服の時の手提げ袋は、日本的で、紋、柄、刺繍等味のある紙布等種々限りない新しい製品が作られている。
どんな袋でも中味の見えない物が多い。
私たちがお称えする念仏も袋の中に入れた物と先師から聞いている。
一体どんな袋でも良い中味が大切である。
中味をとやかく言うべきものではないけれども、南無阿弥陀仏という仏さまが入ってみえる。 しかし取り出して見ようとしても取り出すこと出来ないが、あえて取り出せば「南無阿弥陀」という仏である。
目を開いて見ると何か「南無」と「阿弥陀仏」が別の物のように思われる。 そうではないけれども、あえて取り出すなら「南無」は私たちが阿弥陀如来におまかせをした「帰命」の姿である。 「阿弥陀仏」は私たちを頭に乗せて、宝冠の如く大切にして見護っていてくださる。
袋の中の物は「南無阿弥陀仏」という仏さまが入っていて区分けが出来ない。 その仏が極楽の蓮の台の上に乗せられている。 何と有難い名号である。
この「南無阿弥陀仏」は私の姿であり、阿弥陀さまでもある 。
「南無」といえば・・・
「弥陀は来にけり一つ身を、われとやいわん、仏とやいわん」
「南無阿弥陀、仏のみ名と思いしに、称うる人の姿なりけり」
法然上人も 「南無阿弥陀仏と申して疑わずに念仏の日暮しを・・・」 と申してみえる。
常に袋を腰に手にしての毎日が大切です。
「南無阿弥陀仏」 の蓮台名号をご希望の方には差し上げます。
此の絵の上の蛇口をひねると、おのずから動き出し、二尊の仏になります。
合掌 十念
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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